小説・漫画・その他諸々の感想をつらつら書いてます。
基本的にネタバレです。未読の方はご注意。
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今全八巻を読み終わりました。
泣いた。
悲しい、切ない、でも愛おしい。
そんな物語でした。
‐あらすじ‐
主人公の相馬光也は幼い頃に誘拐事件にあい、それ以降過保護になった母親の過敏な言動に嫌気がさしていた。
そんな光也には幼い頃から大変慕っている祖父がいる。だが祖父の慶光は病気で入院していて病状はあまりよくない。
母親のせいで自由きかない日々の中、光也は祖父の存在を心の拠り所としていた。
しかし、その祖父の容態が急変する。
知らせを聞いて駆けつけた病院で突然地震が起こり、光也は意識を失った。意識を失う直前に光也はある声を聞く。『神様時間を戻して!』
気が付くと、光也の目の前には全く見知らぬ風景が広がっていた。
そして、そこには目を覚ました光也を待ち受けるようにひとりの少年が立っていた。
彼の名は春日仁。
そして光也は仁に現在が大正時代であることを教えられる。
現代から大正時代にタイムスリップしてしまった光也の過ごした輝かしい日々とは…
以下ネタバレ感想です。
じゃあキャラひとりずつについて感想を書いていこうかなと思います。
まずじいちゃん。慶光くん。
全ての元凶のみつくん。ずっと後悔の人生を送ってきたのでしょうね。
「俺のためだけにに愚かな人間になってしまう」そういって仁を叱った彼ですが、やはり不安は現実のものになってしまった…。
その後のことは詳しくは描かれなかったけどやっぱり辛いものだったのだろうことは察して余りあるところ…
自分の所為で仁の人生を狂わせてしまった慶光はどんなにか苦しかっただろうか…それ以上に仁はもっと辛かっただろうと思う。
光也があちらへ行って仁は変わったけど、そうでなかったその後があるということも忘れてはいけない。
なんにしても慶光がもっとちゃんとしてればあんなことにはならなかったんだからさ。ちょっとぽやぽやしすぎね~。
次、慶ちゃん。と節ちゃん。
慶ちゃんがあんな選択をするとは意外だった。
でも「居場所」を見つけられた彼は幸せだったんだろう。
せっちゃんは一途だし健気だし可愛いし、言うことない。
が、なんていうかせっちゃんはいい子過ぎるというような気もする。慶もなんだかんだでこう~ひねてないっていうかある意味まっすぐすぎるっていうか…もうちょっとこう~…ね。っていう。
なんかスローテンポなカポーだと思った。
光也と慶は対を成す存在のはずなのに慶はなんでこんなに地味なんだって思う。キャラに抑揚がないっていうか…自分的には光也のいとこの兄ちゃんっていうくらいの印象しかないんだな~。
もうちょっと、こう、飛びぬけてほしかった。あんまりに静かでさ、慶は。
それでせっちゃんみたいな健気な子でしょ?なんか自分的に山がなくってさ~。いや超個人的な趣味なんだけどさ…。
でもこういうほんわかもたまにはいいか。うん。
次は、亜伊子ちゃんと百合子さん。
亜伊子成長バージョンが可愛くてしょうがない!萌える!あの男の子みたいなのが、と思うと萌える。祭だって身悶えただろうな笑
一番光也を好きだったのは仁だろうけど一番光也を慕ってたのは亜伊子だと思う。そして一番大切に思っていたは百合子さん。
亜伊子と百合子さんはその後が切ないっていうか悲しすぎる…。
辛い中でもずっと光也のことを思ってくれたんだよね。
・゚・(つД`)・゚・
つか光也は百合子さんの孫だったんだよね。じいちゃんの嫁さんがつゆこさんだったのにも驚いたけど、これには更にびっくり。
私は実はこの漫画の中で一番可愛い、というか乙女なのは百合子さんと思っている。
さて、続いては仁。御大将でござーい。
私は仁に一番感情移入して読んだような気がします。仁目線で見る光也が可愛くて可愛くてたまらないです。
というか私、前言撤回です。この物語の登場人物中一番乙女なのは仁です。
一番子供なのも仁だし、一番素直なのも仁だと思う。
クールに見えて、激情家だし、よく泣くし、無鉄砲だし、むちゃくちゃです。でもむちゃくちゃなのは対光也(慶光)にだけなんだよね。
本当に慶光が好きで好きで大事だったんだろう。
ぶっちゃけ載せる雑誌が違ってたら行くとこまでいってたんじゃないかと、思わないでもない…危ない奴だ…
慶光が救えなかった仁。光也が救った仁。
仁の屈託なく笑った顔が好きだ。
慶光との関係も温かいものだったのはわかる。本当に親友だったんだろう。でも距離が近すぎてお互いが見えていないような気もする。
仁が光也を見つけて、慶光を失い、光也のなかに「みつ」を見つけて、そして最後には光也自身を見出していく。その過程を思うと本当に切ない。胸がキリキリする。
なによりも仁が幸せになれたことが嬉しい。
あの日々を誰よりも輝かしく感じているのは多分仁だろうと思う。思い出の中に光也がいればそれでもう仁は幸せになれる。幸せでいられる。
それは幸福ことだけど同時にどこまでも切ないことでもある。
そしてどこまでも愛おしいことだろう。
ああ~なんで死んでしまったんだ~!仁~!!
なんか個人的な見解では親友=慶光で恋人≥親友=光也という感じに思える。仁が生涯想い続けたのは光也なんだと思う。というかそうであって欲しい。
最後は主人公の光也。
容姿はお耽美「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と来た。(まあこれはじいちゃんのことだけども)でも中身があれじゃ台無しだわ笑
もうそんな光也が可愛くって可愛くって。
なんかちゃんと男の子なんだよね。や、当たり前だけどさ。慶光がはんなりしてる子だから光也とのギャップが激しくて、きっと仁もそんな光也にやられたんだろう。
ちょっとコンプレックスが強いけどでも、どこまでも前向きな子だと感じる。これもじいちゃんのおかげなんだろう。ありがとうじいちゃん。
この爆発的な推進力が慶光にはなかったんだな。といってもその力は追い詰められて火事場の馬鹿力的なもののような気もしないでもない。
まあなんにしてもこの光也だからこそ慶光は運命を託したんだろう。
じいちゃんだってできるなら自分の手で助けたかっただろうと思う。でも自分では駄目だとわかってしまったんだろう。そんな慶光を思うとまた切ないんだが…
しかし光也は本当にいい子だ。
素直で感じやすくて単純で、なんかいじめたくなるタイプ。光也をいじる仁の気持ちがすごくよくわかる。
っていうか、怪我しすぎだよね。体張りすぎ。無茶しずぎ。
仁の傷は自分の傷っていうけど、仁は光也が怪我したときのほうが苦しむと思う。
まあ、それしか方法を考えられないんだろう。というより方法なんて考えてる暇がないんだろう。その前に体が動いてるから…どこまでも不器用な奴だと思う。
光也が現代に戻るのは最初からわかっていたことだったけど、でも読んでいて辛かった。
最後にキスを許した光也はどんな気持ちでいたんだろう。
あのキスだけで後生を生きる仁を思うと切ないな~…
話の最後はジジイになった仁と再会か、仁そっくりの仁の孫と出会って終わりって感じだと思ってましたけど、ちょっと違いましたね…。
見た目はどうあれあれは仁とは似ても似つかない笑 いい人過ぎるわ。
最後に物語全体の総評です。
まず、絵がまあ麗しいこと。私は高尾さんはてるてる少年から読んでますけど、あの途中で一時筆が荒れて大丈夫かな~と思ってたけど、このゴールデンデイズではほんっとにどの巻もどのページも綺麗です。耽美です。美しいです。まじでため息もんです。ご馳走様でしたって感じです。
ストーリーのほうは、ちょっと気になる点があって。
これ一巻の伏線と内容が違うような気がするんだよね。
話の途中でもあれだけ政治的なものを示唆しておいて結局相馬の中での事件になってしまった。
てっきり私は政治に絡んで仁が襲われてどうのこうのって話になるんだと思ってから、なんかちょっと引っかかる。
一巻で仁死にかけてたし、「ようお前こんなところにいたのか」ってあの台詞もなかったし…(私の読み方が間違ってる?あれは倒れてるあの場で倒れてる光也にいった台詞だったのか?)
密かに打ち切りだったんじゃないかと疑ってるんですが…どうなんでしょ?白泉社さん。
ん~でも今の花とゆめのラインナップの中ではやっぱり異色な漫画だったと思います。ガチのBL雑誌かせめてASUKA とかだったらもっと人気でたんじゃないかな~。
っていうかあの、これ、BL漫画だよね?
…………。
…スミマセン。
でも萩尾望都ファンとしては、少年愛というジャンルはこういう方向にいって欲しかったというか。
こういう少年同士の心のふれあいを描いた物語ってあんまりないような気がするんです。(私自身あんまり数を読まないので断言はできませんが;;)
作者自身少年同士の話を描きたいと思って描いたと思うんです。それが同人誌とかで汁たっぷりみたいなのじゃなく、こういう物語に昇華したっていうのは読者としては僥倖といいますか。
現代にこういうBLがあってもいいじゃないかと思うんですけどね~。
プラトニック最高!耽美最高!ですよ。
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